この最後の演技で、オスカーをあげたいという心情はよくわかる

2021年1月19日 斉藤 博昭 マ・レイニーのブラックボトム ★★★★★ ★★★★★

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マ・レイニーのブラックボトム

末期ガンの化学療法を受けながら撮影に臨んだことを考えると、ブラックパンサーの凛々しい姿に比べて明らかに痩せこけており、観ていて胸が締めつけられる。そんなチャドウィックの演技、前半は歌とダンスも軽やかにこなしつつ想定内だが、つらい過去を吐露する見せ場には思わず息をのみ、内なる狂気が発露する瞬間は軽く叫んでしまった。

もう一人の主人公マ・レイニーの、人気シンガーとしての過剰な傲慢ぶりは、時代背景と人種差別の実情を考えれば、むしろ清々しい。V・デイヴィスの図太い迫力は、チャドウィック以上のインパクト。演奏される曲自体より、バンドのメンバーの自由勝手な会話がセッションのようで音楽的なのも面白い。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:例の接待問題で軽く話題になっている、洋画専門チャンネル「ザ・シネマ」で、4月に何回か放映される「ザ・シネマ レコメン道場」という新番組に出演しています。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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