雨の横断歩道、ビニール傘の水滴----情景が美しい

2021年1月18日 平沢 薫 名も無き世界のエンドロール ★★★★★ ★★★★★

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名も無き世界のエンドロール

 雨が降る午後、灰色だが明るい空、誰もいない交差点、そこに通りがかった2人の透明ビニールの傘、傘の表面を伝う水滴が反射する光ーーーこの光景の美しさに息を飲む。撮影は「武曲 MUKOKU」のほとんど無彩色の雨も印象的だった、「万引き家族」の近藤龍人。そして、この交差点が何度も登場し、そのたびに別の風景となって現れるというドラマの組み立て方が、映像で物語を語るということはどういうことかを見せてくれる。
 ストーリー展開に仕掛けがあり、人気俳優の共演ぶりも魅力的な映画の中で、この情景が物語に大きく貢献するだけではなく、ストレートに視覚を刺激して美しく、映画を見終わった後も強く印象に残る。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「日経エンタテインメント!」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「CALLS コール」@AppleTV+ 、電話の音声だけで構成されたドラマだが、製作総指揮が「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス監督なので技あり。「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」(13)や「THE GUILTY/ギルティ」(18)が進化して突然変異に?

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