ポーランド映画の新たな傑作

めちゃくちゃ面白い。ヤン・コマサ監督の弁によると『裁かれるは善人のみ』(14年)と比較されることが多いらしいが、筆者は『汚れた顔の天使』(38年)+『ディア・ドクター』(09年)ではないかと思った。犯罪者/神父のダブルカード。「なりすまし」が田舎の小さな村に行く。そこで能力と制度などの矛盾が露わになる一方、ポピュリズムの危うさも示す。全てが両面提示の鋭さ。
コマサ監督の2020年の新作『ヘイター』はNetflixで鑑賞できる。やはり嘘つきだが、ある種のパフォーマンス能力に長けた青年が主人公。『聖なる犯罪者』とは世界の秩序と闇へのアプローチを変えた別ヴァージョンといった趣で、こちらも必見!