今に響く安先生の志

2021年1月17日 中山 治美 心の傷を癒すということ《劇場版》 ★★★★★ ★★★★★

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心の傷を癒すということ《劇場版》

NHKは長年、震災をテーマにしたドラマ制作に挑み続けている。ドキュメンタリーではなくあえて実写。当事者の言葉にならない思いや叫びを今に蘇らせる術があることを実感する。本作も然り。安克昌先生は阪神淡路大震災時、被災者の心のケアを行ないPTSDを日本に広めた方だが2000年に早逝した。安先生なら東日本大震災、そしてコロナ禍で心に傷を負った人たちにどんな言葉をかけただろう?と想像せずにはいられない。だが、本作が安先生の遺志を伝える。「心の傷を癒すということは、誰もひとりぼっちにさせへんこと」と。同時に本作は有事に何かと切り捨てられがちなエンタメだが、その力を改めて私たちに伝えてくれるに違いない。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。日本映画navi、全国商工新聞、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、BANGER!、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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