徹底したリアリズムで描かれるイラン版麻薬戦争の最前線

2021年1月16日 なかざわひでゆき ジャスト6.5 闘いの証 ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ジャスト6.5 闘いの証

 いやあ、これは驚いた。警察の麻薬撲滅特捜チームと麻薬組織の激しい攻防戦を描いたイラン版『ボーダーライン』。末端の売人ホームレスの一斉検挙から始まってトップのボスを追いつめていくまでを、徹底したリアリズムとバイオレンス、そしてダイナミックなカメラワークの畳みかけで描いていく。その過程で、麻薬汚染の元凶である庶民の凄まじい貧困、弱者の人権を蔑ろにする理不尽な社会システム、さらには権力を笠に着た警察の横暴といった現代イラン社会の闇がこれでもかと暴かれていくのだ。2時間越えの長尺もあっという間の迫力。娯楽アクションとしても社会派ドラマとしても第一級の出来栄えである。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:最近は今さらながらK-POPのボーイズバンドにドハマり中。一番の御贔屓はMCNDですが、NCTやTREASUREも大好き。もちろんBLACK PINKとかITZYとかEVERGLOWとかガールズにも夢中です。

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆきさんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]