レクター博士から30年。名優の進化は、ついに神レベルに到達

2021年1月15日 斉藤 博昭 ファーザー ★★★★★ ★★★★★

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ファーザー

認知症にフォーカスした映画はいくつもあったが、今作は当事者の「視点」で混乱する現実をそのまま観客に突きつけてくる。目の前にいる相手は誰? 自分の意思で動いたはずが、決定的な間違いを犯していたのか…など、リアルな切迫感と恐ろしさは上質なスリラーのようだ。主人公の混乱を、伏線でまとめ上げる脚本も見事。
自分の言動は正しいと自信をもちながら、混濁と闘い、時に笑いを誘う行動もとるという、世紀の難役で、アンソニー・ホプキンスの変幻自在の表現は、もはや「神の域」。演技の良し/悪しの基準は観る人の「感覚」に委ねられるものだが、もしフィギュアスケートのように技術点があるなら、映画史上でも最高ポイントと断言。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:地元の藤沢で、同じ高校出身の大島新監督の『なぜ君は総理大臣になれないのか』凱旋上映。監督のトークのお相手を務めました。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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