好調な韓国映画界の片隅で

2021年1月15日 中山 治美 チャンシルさんには福が多いね ★★★★★ ★★★★★

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チャンシルさんには福が多いね

アラフォーの自分探し物語としてはもちろん、業界裏話としても秀逸。主人公が元プロデューサーなら、家政婦として厄介になるのは自分磨きに必死な新進女優。その彼女の仏語教師の本業は映画監督だ。好調な韓国映画界の実態を映し出す。とりわけ主人公が映画会社社長から「監督あってのあなた」と蔑まれるシーンはリアル。本作の監督はホン・サンス監督の元P。間違いなく実体験を投影したのだろう。だが本作を見れば一目瞭然。とぼけた笑いもウイットに富んだセリフもホン作品を彷彿とさせ、彼女の存在が大きかったことを証明する。何より半径2mの世界をエンタメに仕上げた手腕は見事。自分を過小評価した人たちへの一矢を報いた痛快作である。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。日本映画navi、全国商工新聞、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、BANGER!、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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