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野球少女 (2019):映画短評

野球少女 (2019)

2021年3月5日公開 105分

野球少女
(C) 2019 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

斉藤 博昭

演出にも演技にも、真摯な姿勢を貫いて…

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

まさに今、世界的トピックになっているジェンダー問題を韓国の一人の少女に託し、日常目線から伝える姿勢は好感以外の何ものでもない。「女子だから」の枠だけでなく、「自分の得意な球で勝負する」というスポーツ選手としての苦闘にフォーカスする点も清々しい。スポ根というより、ひたすら実直な成長と周囲との葛藤、夢と現実で揺れ動くドラマである。
ただし観る前から、そして映画の途中から期待するクライマックスへの盛り上がり、終わった後のカタルシスという点で、明らかに物足りないと感じた。これは演出なのだろうが、「梨泰院クラス」のイ・ジュヨンには、もっと「熱演」で主人公の思いを強烈に伝える場面を与えてもよかった気が。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

ガラスの天井を突き破る少女の根性に拍手!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

野球を愛する少女スインがプロ選手を目指す話で、立ち塞がる壁を少しずつ乗り越えていく展開に普遍性がある。幼い頃は男子と肩を並べていられた少女が直面するのは体力差だけでなく、「女の子はプロにはなれない」という偏見めいた考え方。男女平等の世界のはずが男性から「女のくせに」などと言われたことがある女性は少なくなく、限界に挑み続けるヒロインの気持ちに共感するだろう。努力しても夢が叶うとは限らないけれど、スインを見ていると挑戦することに意味があると感じる。『梨泰院クラス』でも印象的だったイ・ジュヨンが体を張った熱演を披露する! ただね、プロ選手を目指しても勉強を疎かにしてはいけないと思いました。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ブレないヒロインの心意気が清々しい

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

「野球狂の詩」の水原勇気ばりに とにかく投球フォームが美しいイ・ジュヨン。彼女演じるトライアウトの申請もできないヒロインが、新任コーチとの出会いから、さらに才能が開花していく様は、少女漫画(つか、「エースをねらえ!」)的にも見えるが、そこまでスポ根な展開にはならない。彼女のプロ野球に対するこだわり、女子チームではいけない理由などがしっかり語られないところは引っかかるが、ヨム・ヘラン演じる母親や球団関係者に何を言われようが、まったくブレないヒロインの心意気がとにかく潔く、清々しい。静かに熱く訴えかけてくる一作だが、そこまでジェンダーを強調してない作りもいい。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

ガラスの天井をぶち破れ!

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

韓国のスポーツものと言うことで、もっと熱血的なスポ根ドラマかと思いましたが、思いのほかガラスの天井を扱った社会派ドラマでした。
『はちどり』『82年生まれ、キム・ジヨン』と同じタイミングでこの作品が現れたのもの必然的な流れなのでしょう。
肝である野球のシーンを思いのほか軽めに描いているのも野心的な描き方と言えるでしょう。
このタイトルですから、もっとエンタメ的な描き方もできたのでしょうが、敢えてそれをしていません。
奇しくもスポーツとジェンダーの話題がクローズアップされたこのタイミングに絶好の映画が登場しました。

この短評にはネタバレを含んでいます
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