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ズーム/見えない参加者 (2020):映画短評

ズーム/見えない参加者 (2020)

2021年1月15日公開 68分

ズーム/見えない参加者
(C) Shadowhouse Films and Boo-Urns 2020

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

なかざわひでゆき

コロナ禍の不自由さを逆手に取ったステイホーム・ホラー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 新型コロナでロックダウン中のイギリス。暇を持て余した仲良しグループが、ウェブ会議サービスZoomを使って交霊会を催したところ、誤って狂暴な悪霊を呼び出してしまう。全編に渡ってパソコンやSNS上でストーリーが展開する映画は近年のちょとしたトレンドで、本作もそのうちのひとつに過ぎないと言えばそうなのだが、しかしコロナ禍の不自由なリモート撮影を逆手に取った恐怖演出のギミックは絶妙で、シチュエーション的によく似た『アンフレンデッド』シリーズよりも良く出来ている。結局、最後の最後まで悪霊の正体も目的も分からないという得体の知れなさも効果的。ただ、タイムリーな内容だけに賞味期限は短いかもしれない。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

ステイホーム・ホラーの定番化を予感

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 コロナ禍を反映した昨秋の邦画『真・鮫島事件』の製作の瞬発力には驚いたが、イギリスでも同様の作品が作られていた。これは嬉しい驚き。

 PC画面上のみで展開するビジュアルは今や珍しくはないが、ロックダウンによる若者の閉塞感が加わると鮮度を増す。男子ひとりが出たり入ったりするものの基本的にはオンライン女子会で、オカルトはもちろん真面目vs不真面目のガルーズトークの危うさもスリリング。

 困難な状況下にあっても、スリラーを愛する若き映画人たちが工夫を凝らして長編を撮ろうとする、そんな事実が素直に嬉しい。ステイホーム・スリラーは今後、世界のトレンドになるか?

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猿渡 由紀

低予算でもアイデアとキャストで良い映画は作れるという例

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

霊媒師に霊を呼び出してもらったら、次々に恐ろしい現象が起きて…というクラシックな設定が、ロックダウン時代ならではのZOOMを舞台にすることで、新しく、共感しやすくなっている。ZOOMを無料で使える時間に合わせた短い上映時間も、見ている自分が今そこにいるような臨場感を出す上で効果的。昨年3月からずっと映画館が閉まっているL.A.に住む筆者はラップトップで見たので、余計にリアルだった。余計な説明なく、すぐに本題に入っていくにもかかわらず、女の子たちそれぞれのパーソナリティが出ているのも良い。低予算でも優れたアイデアがあり、正しいキャストがいれば良い映画は作れるのだという新たな例のひとつと言える。

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くれい響

ロックダウン下で、見守ることしかできない恐怖

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

すべてがモニター上で行われる展開や、自然と追ってしまうマウスポインターの動きなど、『アンフレンデッド』から『search/サーチ』の流れを踏まえると、既視感は否定できないリモート・ホラー。とはいえ、コロナ禍のご時世だけに、“Zoomあるある”を挟みながらの挨拶から始まる「オンライン降霊会飲み」の没入感はハンパない。仮想背景の使い方が肝となるのも興味深く、役名と同じ散々な目に遭うキャストは、私生活でも大の仲良し。そのリアルな関係性がロックダウン下で、見守ることしかできない恐怖をより引き立たせる。「おまけ映像」付きで、68分ポッキリの潔さ。もちろん「この続きはHuluで!」でもありません。

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斉藤 博昭

リモートならではの恐怖。人と人の密が恋しくなるのが今っぽい

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

コロナ禍でリモート駆使の実験作が、われ先と世に出るなか、今作はzoomで得体の知れない恐怖を体感させることにハイレベルで成功。『ブレア・ウィッチ』『パラノーマル・アクティビティ』を観た時のような斬新な感覚も甦る。基本は交霊会だが、zoomで別々の場所で一人で参加する設定が、まわりに助けを求められないスリルを加速。映像のブレ、音声の切断、フィルターや背景も効果的で、静寂や(お約束の)突発現象のタイミングに過不足ナシ。PCやスマホのカメラを「そっちに向ける?」というツッコミどころも映画的に許せてしまう。
これは皮肉だけど、劇場で観るより、自宅などでPCで観た方が自分も参加してる臨場感を味わえそう。

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平沢 薫

「今だからこそのリアル」がここに

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

「今だからこそのリアル」をタイムリーに映像化。自宅にいる時間が増え、Zoomを使うことが日常的になった現在だからこそ、とても身近に感じられるさまざまなことが起きていく。オンラインで複数の人々と話しているときに、誰かの動画だけが急にフリーズする。また、誰かのウィンドウだけが突然、真っ暗になる。ああ、これに似たような現象はついこの間も体験したな、と思っていると、実はその背後でとんでもないことが起きていることが分かっていく。しかし、画面に写っている場所は現実では遠くにあるので、自分が実際にそこに行って確かめることも出来ない。身近さと、それとは逆の隔てられている感覚、その双方のギャップも生々しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
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