英国が誇る名優たちが、ズラリ揃った絵ヅラを観るだけで壮観

現在87歳(!)のマイケル・ケインを筆頭に、いぶし銀の俳優たち、揃い踏みの風景に、彼らの若い時代の映像がそのまま役の過去として挿入されるものだから、それぞれの名作も頭をよぎり、映画史を振り返るような幸福な感覚も!
老人たちによる『オーシャンズ11』的な集団犯罪は、当然のごとく自分本位だったり、詰めが甘かったりして、いい意味でのユルい感じを愛おしむ作品ではある。楽曲のセレクトもナイス。
ただし、名優たちの円熟の才能が生かしきれているとは言い難く、彼らであれば、もう少し振り切れたノリや痛快さ、そして何より「哀愁」が表出できたのでは…。衝撃の実話を、映画=エンタメとして盛り上げる難しさも感じる。