青く透き通った光に満ちた光景が物凄い

ときどき現れる、青く透き通った光に満ちた光景が物凄い。その光景は、幼い子供が見る夢の中や、その母親がいる夢なのか現実なのか分からないところにふと出現し、見る者をまるごと包み込む。
チベットで羊を飼う一家は、広大な緑の野原と青い空に取り巻かれているが、その生活はけしてのどかなだけではない。馬がオートバイになり、羊の売り買いを巡る交渉が伝統とは異なる形に変化していく。妊娠を巡っても、祖先の"生まれ変わり"を信じる人々だけでなく、まず出産による生活苦を思う人々もいる。そのように変わっていく世界の中で、人々はふと、青く透き通った光に満ちた光景を見る。そういう世界が描かれている。