女の子と巨大機械が互いに恋に落ちる

女の子と機械の恋物語だが、これはちょっと異色作。片思いではなく相思相愛、しかもプラトニックではない。主人公は、人間よりも機械が好きで自分の部屋で機械を組み立てている女の子。そんな彼女と、遊園地の巨大絶叫系アトラクションマシンが、恋に落ちる。夜の遊園地は、日常とは違う不思議な光に満ち、その柔らかな光が放つ色彩は恋するときの夢を見ているような心持ちと同じ甘さ。そして彼女とマシンは有機物と無機物の差異、個体サイズの違いを超えて、一緒に快感を共有する。その体験がどう映像化されるのかも見どころ。ヒロイン役は「燃ゆる女の肖像」で画家役で注目のノエミ・メルラン。今回も自分の意志を貫く女性を演じている。