この家族の一員になりたいか否かで評価が分かれる

70歳を迎える母親の誕生日を祝うために集まった家族が繰り広げる騒動が破天荒すぎて、一家離散に向かうとしか思えず、セドリック・カーン監督がどう事態を収拾させるのか最後までハラハラしっぱなし。遺産を先に寄越せと要求する長女と映画監督志望(単なるフリーター)らしい次男の無責任ぶりはもう、C・ドヌーヴ演じる母親の育児失敗としか思えない。キャッチコピーは「どんな家族でも、やっぱり愛おしい」なのだが、この家族の一員になりたいとは絶対に思えなかった。唯一まともな、長男の嫁に同情しきりだ。フランス人ならば理解できる家族関係なのかもしれず、共感できるか否かで見る人のフランス度がわかるでしょう。