“結婚”という名の異物をめぐる女性視点の寓話

2021年1月7日 相馬 学 Swallow/スワロウ ★★★★★ ★★★★★

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Swallow/スワロウ

 “swallow”という単語には“飲み込む”の他に”耐え忍ぶ”“抑える”という意味があるが、それを踏まえると内容をよく表わしたタイトル。

 金満夫の無理解に耐え忍び、自分を抑えつけたあげく異食症となってしまうヒロイン。彼女の異物を食べる行為にスリルを漂わせつつ、そんなスワロウ状態からの脱却を人間ドラマとして機能させている点が面白い。映像の構図もイチイチ絵になり、インパクトがある。

 本作の異物食の背景には、心が異物を取り込んでしまったことがある。結婚という名の異物により、心も消化不良を起こしてしまったかのよう。無理をせずに生きなさい……と女性たちに語りかけるようなラストが印象に残る。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『ファナティック ハリウッドの狂愛者』他の劇場パンフレットでお仕事中。「映画の巨人たち リドリー・スコット」(辰巳出版刊)に寄稿。

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