“宇宙人”が人間に説く、ユルくもリアルな哲学

2020年12月29日 相馬 学 サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス ★★★★★ ★★★★★

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サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス

 サン・ラーは前衛的な作風に加え、ぶっ飛んだ思想で知られるジャズアーティストだが、本作ではそんな彼の思想がブラックスプロイテーション映画の枠組の中で語られる。

 “星も惑星も何もかも正しい場所にある。ズレているのは地球だけ”という歌に象徴された文明批判が人種差別への風刺に直結。宇宙的な視野を持つサン・ラーのユニークな哲学には訴えかけるものが確実に宿る。

 とはいえ真面目にそれを語るわけではなく、映画はSFやユーモア、エロスに彩られ、1970年代カリフォルニアののどかさも手伝い、ノンビリとした印象をあたえる。“宇宙人”サン・ラーのピースな世界を、当時のユルい空気ごと楽しんでしまうが吉。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『ファナティック ハリウッドの狂愛者』他の劇場パンフレットでお仕事中。「映画の巨人たち リドリー・スコット」(辰巳出版刊)に寄稿。

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