どんな人生にも同じだけの価値がある

我々は、夢を持て、大きなことを達成しろと言われて育つ。でも、何がやりたいかわからないままでいたとしても、その人生には同じだけの価値があり、喜びがある。そんなメッセージを持つこの映画は、どんな時代に見てもすばらしいが、コロナで多くの人が思わぬ人生の変化を強いられる中、とりわけパワフルだ。それを、ジャズという、”今という瞬間を生きる”世界でやっているのも、ぴったりすぎてすごい。ジャズの音楽も素敵だし、本当に目の前でライブを見ているような演奏のシーンにも心が躍る。笑えて、泣けて、最後にまた微笑んで、見終わった後もずっと考えてしまう、いかにもピクサーならではの作品だ。