圧政下で奪われた我が子を取り戻さんとする母親の執念

2020年12月25日 なかざわひでゆき FUNAN フナン ★★★★★ ★★★★★

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FUNAN フナン

 舞台は’70年代ポルポト政権下のカンボジア。クメール・ルージュによって家も財産も剥奪され、田舎の農村で再教育という名の強制労働に従事させられる平凡な大家族。仲睦まじかった一家の絆は過酷な環境でどんどんと荒み、やがて一人また一人と悲惨な最期を遂げていく。そうした中、離れ離れになった幼い息子を取り戻すため、なんとしてでも生き延びようとする母親の執念が描かれる。カンボジア系フランス人である監督の母親の実体験が基になっているとのことだが、ポル・ポト派台頭の背景として都市部と農村部の経済格差や教育格差に起因する‟持たざる者の憎悪“にも触れ、彼らを怪物的な悪人として描いていないところも興味深い。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとしてキャリア30年。TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。海外取材経験も多数。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:最近は今さらながらK-POPのボーイズバンドにドハマり中。一番の御贔屓はMCNDですが、NCTやTREASUREも大好き。もちろんBLACK PINKとかITZYとかEVERGLOWとかガールズにも夢中です。

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

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