N.Y.に思いを馳せながら……

N.Y.を舞台にデンマークのシェルフィグ監督が仏のタハール・ラヒム、英国のビル・ナイら多国籍キャストで撮った合作映画。それだけでN.Y.らしさを表しており、しかもタハールもビルも老舗のロシア料理店スタッフというのが洒落が効いていて笑っちゃう。そんな異国での苦悩を知る人たちが、DV夫から逃れてきた母子たちに手を差し伸べる。19年製作だが、今まさにN.Y. の片隅で同様の事が行われているのではないか?いや、行われていて欲しいと願わずにはいられない。そして『幸せになるためのイタリア語講座』『人生はシネマティック!』の監督の、その時代を懸命に生きる女性たちに向けられる視線は変わらず優しい。