フェミニズムとアートの関係の「その先」

2020年12月19日 森 直人 ヘルムート・ニュートンと12人の女たち ★★★★★ ★★★★★

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ヘルムート・ニュートンと12人の女たち

#MeToo以降との関連が意識された内容。20世紀まで賞賛されてきたセクシュアルな表現に新たな批評のメスが入り始めた時代。ならばH・ニュートンは、もうナシか? そこで彼と仕事した女性の側に直接意見を聞くコンセプトは、「政治的な正しさ」の徒な尖鋭化への解毒剤的なアンサーとなるだろう。

今は「ミューズ」との概念が搾取的として葬られようとしているが、本作は表現の現場で生まれるパワーゲーム的な関係を再定義する為のヒントも与えてくれる。炎上案件もむしろ「解釈する側」の思考や精神を強く映し出すことがよく判る。その点で男性優位も含め表現の多様性を捉える、I・ロッセリーニのフェアな分析には特に感銘を受けた。

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:謹賀新年! YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。2月21日より、今泉力哉監督&冨永昌敬監督(脚本/『あの頃。』)の回を配信中。ほか、山田篤宏監督&若葉竜也さん(『AWAKE』。SYOさんとのダブルMC)、片山慎三監督(『そこにいた男』)、井筒和幸監督(『無頼』)、内山拓也監督(『佐々木、イン、マイマイン』)、二宮健監督(『とんかつDJアゲ太郎』)、佐藤快磨監督(『泣く子はいねぇが』)、渡辺紘文監督&雄司さん(大田原愚豚舎の世界Vol.2)、黒沢清監督(『スパイの妻』。月永理絵さんとのダブルMC)、原一男監督&島野千尋プロデューサー(『れいわ一揆』)、行定勲監督 feat.東紗友美さん(『窮鼠はチーズの夢を見る』)、足立紳監督(『喜劇 愛妻物語』)、荒木伸二監督 feat.SYOさん(『人数の町』)、城定秀夫監督&平井珠生さん(『アルプススタンドのはしの方』)、田中圭監督(『島にて』)、内藤瑛亮監督(『許された子どもたち』)、諏訪敦彦監督(『風の電話』)、想田和弘監督(『精神0』)、深田晃司監督(『本気のしるし』)、豊島圭介監督(『三島由起夫vs東大全共闘』)、入江悠監督(『AI崩壊』)、タナダユキ監督(『ロマンスドール』)、岩井澤健治監督&大橋裕之さん(『音楽』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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