ヒーローものの基本に立ち返った快作

80年代が舞台なのは、冷戦の余波があり、拝金主義に侵される前だからか? 冒頭のシークエンスでダイアナが叔母から受けた教えが重要で、フェイク氾濫にイラつく身に響いた。超常現象も絡むスーパーヒーローものなのに身近に感じるのは、ガールクラッシュをこじらせる友人バーバラや一攫千金以上のものを狙う詐欺師マックスがどこにでもいそうな人間だからだろう。人間の弱さに忍び寄る悪を正すヒーローものの基本に立ち返っている。政治的メッセージは薄いが、夢と希望を与える展開だ。ガル・ガドットは今まで以上にハードなアクション演技を披露し、スピード感も迫力も増している。長尺だが、ガルを見るだけでも楽しいので星1つ追加。