すべてが救われるラストカット

2020年12月14日 くれい響 ブレスレス ★★★★★ ★★★★★

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ブレスレス

英語題“イヌはズボンを履かない”が示すように、女王様のイヌになってしまった男の剥き出しの人間ドラマ。外科医の主人公には悲しい過去があるだけに切ない一方、限界突破による首コルセット姿が『Mr.BOO!!』ばりに滑稽に見えるなど、悲喜劇としてのバランスは、同郷カウリスマキ監督の匂いも感じられる。そこに、まさかそんなところで爪剥がしなど、目を背けたくなるホラー演出も加わり、珍妙な味わいに。不気味かつ官能的な映像も見どころだが、愛娘とのエピソードなど、脚本の詰めの甘さもあり、観方によっては“バイトSM嬢の受難”に見えるかも。ただ、夢に出そうなインパクトのラストカットで、すべてが救われる。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『ハッピー・オールド・イヤー』『新解釈・三國志』『新感染半島 ファイナル・ステージ』『イップ・マン 完結』『追龍』『WAR!!!』『眉村ちあきのすべて(仮)』『プロジェクトグーテンベルク 贋札王』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。そのほか、「TV LIFE」にて北川景子さん×芳根京子さん、山﨑夢羽さん、安倍乙さん、「CREA WEB」にて渡部亮平監督などのインタビュー記事が掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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