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ヒトラーに盗られたうさぎ (2019):映画短評

ヒトラーに盗られたうさぎ (2019)

2020年11月27日公開 119分

ヒトラーに盗られたうさぎ
(C) 2019SOMMERHAUS FLIMPRODAKTION GMBH / LA SIALA ENTERTAINMENT GMBH / NEXTFILM FILMPRODAKTION GMBH&CO.KG / WARNER BROS.ENTERTAINMENT GMBH

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

なかざわひでゆき

無垢な子供を偏見と憎悪の犠牲にしてはいけない

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 世界的な絵本作家ジュディス・カーの自伝的小説の映画化。戦前ドイツの裕福なユダヤ人家庭に生まれ育った9歳の少女アンナは、ナチス批判の急先鋒だった評論家の父親が命を狙われたことから、慣れ親しんだ故郷を捨てて家族と共にヨーロッパ逃亡の旅へ出ることになる。民主的な選挙によって独裁政権が誕生し、突如として奪われた平和で幸福な日常。政治や社会情勢など理解できるはずもない子供たちは、過酷な境遇の変化に翻弄され時に反発する。そんな我が子らの不満や困惑に胸を痛めつつ、彼らを守るため茨の道を歩まざるを得ない両親の心情に共感。無垢な子供が偏見と憎悪の犠牲となるような社会を生んではならない。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

困難な時代もなんのそのな子供のたくましさに感動

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

ナチスが政権を握る直前にドイツを脱出した一家の逃避行を9歳の娘アナの視点で描いているため、ナチスの恐怖というよりも新生活への好奇心やワクワク感が前面に出た心温まる家族の映画となっている。スイスでは牧歌的に暮らした一家がパリでは貧乏生活を余儀なくされて夫婦関係がギクシャクなる瞬間はあるものの、家族の愛情こそが互いを支えたことがよくわかる。K・リンク監督が『名もなきアフリカの地で』で描いたナチスから逃れた家族同様、本作の子供たちも順応力が素晴らしく、子供のたくましさに感動する。特にアナは絵も上手で、絵本作家ジュディス・カーがモデルだもんなと納得。

この短評にはネタバレを含んでいます
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