隅々の配役までカンペキ!

これが勢いにノる制作陣の手堅さと自信か。「アンナチュラル」「MIU404」と、事件に巻き込まれて人生を狂わされた人たちの情感を掬いとることに長けている脚本家・野木亜希子と原作の相性の良さは言わずもがな。強固な主演2人を据え、土井裕康監督らしいツウな俳優を適材適所に配したキャスティングにシビれる。その数たるや膨大だが、彼らが置かれた状況や人格が一目で分かるよう、衣装や美術など計算され尽くした細部に感嘆する。この物作りの真摯な姿勢は実在の事件をモデルにしていることへの配慮だけでなく、TBS系という報道機関が製作することの矜恃と反省も込められていのだろう。間違いなく今年を代表する傑作誕生だ。