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望み (2020):映画短評

望み (2020)

2020年10月9日公開 108分

望み
(C) 2020「望み」製作委員会

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

なかざわひでゆき

我が子をどこまで信じることが出来るのか

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 もしも自分の家族が犯罪事件に巻き込まれて行方不明となった時、たとえ犯人でも構わないから無事に生きて帰って欲しいと願うか、それとも既に殺されている可能性があっても被害者であって欲しいと願うか。はたから見れば幸福そのものの裕福なエリート一家が、高校生同士の殺傷事件に反抗期の長男が関与していたことから、そんな極限の心理状態へと追い込まれていく。焦点となるのは子を想う親心。うちの子に限って人を殺すはずなどない。そう信じたい両親だが、しかし息子の知られざる一面が明かされるたびに不安も募っていく。多感で難しい年頃の子供を持つ親にとっては、恐らく身に詰まされるような点も多いことだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

どっちに転んでも希望のない望み

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

少年犯罪に巻き込まれた息子を持つ両親の真逆の望みのどちらも理解できる。しかもどちらが叶ったとしても悲劇的な結果が待っていると重苦しい気持ちになるが、見続けずに入られない作品だ。父親と母親、優等生な妹それぞれの思いがきちんと伝わってきて、それぞれに違いはあるものの、行方不明となった規士への深い愛を感じさせる。役者の力によるところが大きく、家族を演じる堤真一と石田ゆり子、清原果耶の演技が素晴らしい。本当の家族のように見えてくる。事件の全貌が不明なうちに悪意ある噂で殺人犯の家族扱いされる展開やスクープ狙いの記者の接近はドラマを盛り上げるために必要とは思うが、ややチープ。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

望んだ先

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

連絡がつかない息子は犯罪の加害者か?被害者か?
どちらであって、決して幸せな結末とならない結果を受け入れいるしかない家族の物語。
監督の堤幸彦は、職人モードに徹していて、過去の監督作品の中でも一、二を争うほど静かで外連味を抑えたドラマなっています。
そのことで原作が持っていたある種の普遍性を映画にも焼き付けることができています。
岡田健史と清原果耶と言う今旬な二人を絶好のタイミングで捕まえてきたこともお見事です。
犯罪と報道がセットになるのも今のトレンドと言えるでしょう。雫井脩介作品は映画は少ないですが、アベレージが高いです。

この短評にはネタバレを含んでいます
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