原作とはまた違う魅力

2020年10月17日 中山 治美 82年生まれ、キム・ジヨン ★★★★★ ★★★★★

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82年生まれ、キム・ジヨン

本作は、原作モノ映画が主流の日本映画界にとって、非常に参考になるのではないだろうか。人気俳優こそ起用しているが、原作におもねることなく、ファンタジー的な要素も排除し、徹底的にリアルに。いや主人公キム・ジヨンの心が壊れていく様を生身の人間の身体を通して表現すれば、そうなるのが当たり前なのだ。この作品の重さは、まんま韓国社会がMeToo運動といかに真摯に向き合っているかを示す度量。女性たちだけでなく、しがらみだらけの人生で踏ん張って生きているあらゆる人たちにエールを送るかのような映画オリジナルのラストに、活躍めざましい韓国女性監督たちの勢いと頼しさを実感する。韓国映画界の力強さ、ここにあり。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。日本映画navi、全国商工新聞、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、BANGER!、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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