求め求められ、流されすれ違う愛の不条理

2020年9月21日 なかざわひでゆき 窮鼠はチーズの夢を見る ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
窮鼠はチーズの夢を見る

 そもそも他人の恋愛においそれと共感できるかと言えば難しい話だと思うが、しかしそれにしても、これほど見る者の感情移入を拒むような人間ばかり出てくる恋愛映画も珍しいかもしれない。押しに弱くて優柔不断で下半身の緩いノンケ男、そんな彼に盲目的な愛情を捧げすぎてストーカーと化す一途なゲイ。この2人を軸に男女の欲望が絡む恋愛の駆け引きは露骨で、にわかに共感は出来ずとも説得力は十分にある。しかも、結局この優しいだけが取り柄の残酷な「流され侍」は、最後の最後まで他人を振り回して傷つけ、自分だけが妙な悟りの境地に至る。身も蓋もない不条理だが、この報われなさもまた恋愛の真実であり、そういう意味でとてもリアルだ。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください♫なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆきさんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]