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プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵 (2020):映画短評

プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵 (2020)

2020年9月18日公開 106分

プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵
(C) 2019 ESCAPE FP HOLDINGS PTY LTD, ESCAPE FROM PRETORIA LIMITED AND MEP CAPITAL, LP

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

なかざわひでゆき

全ての人の自由と平等のため脱獄を謀った男たちの実話

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ‘79年に南アフリカで実際に起きた脱獄事件を描く。脱獄の中心人物となるのは2人の政治犯。反アパルトヘイトの活動に身を投じた、裕福な白人のインテリ青年たちだ。それゆえに、南アフリカの人種隔離政策を題材にしながら黒人がほとんど出てこないというユニークな作品となっている。10の扉を突破するために木製の合鍵を看守の目を盗みながら作るという脱獄計画は、一見して地味ながらもハラハラする面白さ。それに加え、国家からも白人同胞からも「裏切り者」「恩知らず」と激しく非難されてもなお、自分たちだけではなく全ての人の自由と平等を願い、己の良心と信念に従って支配体制に闘いを挑む男たちの勇気に胸が熱くなる。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

間違った政治に徹底抗戦した青年がすごい!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

反アパルトヘイトを掲げて黒人差別と戦った白人が悲惨な状況を強いられていたことがわかる実話だ。良心に従ったがために政治犯として有罪判決を受けた主人公ティムは、脱獄して戦い続けたいガッツの持ち主。ガンジー的闘争を選択した先輩囚人に対し、「これは戦争だ」と宣言して共闘を求める行動派だ。彼が意外すぎる手法を考え出し、相棒とともにトライ&エラーを重ねて脱獄方法を探る課程は非常にサスペンスフル。協力者も増える反面、監視も厳しくなる状況に見ていて胃がキリキリ。何度もヒヤリとさせる演出が巧みだ。ティム役のD・ラドクリフがさまざまな局面に耐えながら、信念のために戦う青年を力強く演じている。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ポッタリアンにも優しい脱獄サスペンス

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

ラドクリフ&ウェバーのWダニエルによるバディ感は、『パピヨン』に近いものを感じるが、全体的な構成はロベール・ブレッソン監督の『抵抗-死刑囚の手記より-』を意識。そのため、主人公2人のアパルトヘイトをめぐる政治活動云々より、彼らの決死の脱出劇に焦点が絞られている。稀に見る記憶力と器用さを武器に、次々とお手製の合い鍵を作り上げていくゲーム感覚の面白さに加え、所内のご意見番役のイアン・ハートの圧倒的な存在感も見どころ。刑務所モノに付き物なヴァイオレンス描写がほとんどないうえ、実話とはいえ、中盤にはホウキが重要なカギになるなど、ポッタリアンにも優しいサスペンスといえる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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