いざとなれば「初心者」として人生いつでも生きなおせます。

2020年5月27日 ミルクマン斉藤 人生はビギナーズ ★★★★★ ★★★★★

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人生はビギナーズ

マイク・ミルズの実体験だという父親のエピソードの“引き”があまりに強いのでジェンダーをめぐる映画かと思いきや、そう断ずるのはちと早い。実はもうひとつ軸となる物語があるのだ。カミングアウトから5年後、父はあの世へ旅立つ。喪失感とともに訪れる新しい恋。時制の異なる三つのできごと(少年期の記憶、父の末期、現在の自分)が頻繁に交錯するが、そこから浮かび出るのは’50年代アメリカの裏の顔。父はゲイであることを、母はユダヤの血を引くことを隠さずには暮らせなかった時代のポートレイトだ。父母が強いられた苦悩に比べ、僕たちの世代の煩悶はなんと脆弱なことか!それが恋をためらう主人公をぐいぐいと後押しするのだ。

ミルクマン斉藤

ミルクマン斉藤

略歴:映画評論家。1963年京都生まれ。デザイン集団「groovisions」の、唯一デザインしないメンバー。現在、京都・東洞院蛸薬師下ルの「三三屋」でほぼ月イチ・トークライヴ「ミルクマン斉藤のすごい映画めんどくさい映画」を開催中。雑誌「テレビブロス」「ミーツ・リージョナル」「キネマ旬報」等で映画コラムを連載中。

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