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人生はビギナーズ (2010):映画短評

人生はビギナーズ (2010)

2012年2月4日公開 105分

人生はビギナーズ
(C) 2010 Beginners Movie, LLC. All Rights Reserved.
ミルクマン斉藤

いざとなれば「初心者」として人生いつでも生きなおせます。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

マイク・ミルズの実体験だという父親のエピソードの“引き”があまりに強いのでジェンダーをめぐる映画かと思いきや、そう断ずるのはちと早い。実はもうひとつ軸となる物語があるのだ。カミングアウトから5年後、父はあの世へ旅立つ。喪失感とともに訪れる新しい恋。時制の異なる三つのできごと(少年期の記憶、父の末期、現在の自分)が頻繁に交錯するが、そこから浮かび出るのは’50年代アメリカの裏の顔。父はゲイであることを、母はユダヤの血を引くことを隠さずには暮らせなかった時代のポートレイトだ。父母が強いられた苦悩に比べ、僕たちの世代の煩悶はなんと脆弱なことか!それが恋をためらう主人公をぐいぐいと後押しするのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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