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もったいないキッチン (2020):映画短評

もったいないキッチン (2020)

2020年8月8日公開 97分

もったいないキッチン
(C) UNITED PEOPLE (C) Macky Kawana

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

斉藤 博昭

数字では感覚がつかめないフードロス。映像で観ると愕然…

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

ともすれば深刻になりそうな題材ながら、旅人で監督のダーヴィドの、ほのぼのキャラが功を奏し、海外の視点で日本を巡るロードムービーのような楽しいノリ。ゆるやかな空気の中で、無駄のないアイデアを多方面で学ぶことができる。

訪ねるスポットが盛りだくさんで、もうちょっと絞ってじっくり見たいネタも多かった。とくに作品の肝となる、コンビニやデパートの日々の売れ残りと、そこからどうするべきかという策の部分は深く突っ込んでほしかったが、年間643万トン、一人あたり毎日おにぎり1個分という日本の食品ロス=廃棄を、こうしてリサイクル工場内の映像でリアルに観せられると、実感で迫ってくる。「知る」という意味で必見作。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

期限切れ食材を廃棄する前にちょっと考えることにします!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

食材救出人のダーヴィド・グロス監督が「もったいない」を合言葉に日本各地でフードロスを考える。『0円キッチン』と同じロードムービー仕立てで、監督とパートナーが廃棄食材や賞味期限切れ食品を使った食事会を開き、野草料理や地熱料理を満喫する。フードロスだけでなく環境問題や貧困問題にも言及し、日本らしいサステイナブル&持続可能なアイデアも紹介される。作りこまれたドキュメンタリーではなく、監督が抱く素朴な疑問から話がどんどん発展。本人も「フードロス解消と関係あるの?」と思ったりで、そのゆるさや「これが正義」と決めつけない懐の深さがが魅力。そして問題に取り組む人が少なくないという事実が希望を与えてくれる。

この短評にはネタバレを含んでいます
中山 治美

食への意識がさらに変わること間違いなし

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

人間とは本当に愚かなもので、危機的状況に直面しないと賢人たちの有り難い言葉も耳に届かない(自戒を込めて)。だが自粛生活で食の重要性を知った今なら、”食材救出人”ことダーヴィド・グロス監督の活動は、食品ロス・世界トップクラスの汚名を持つ日本人を覚醒させるかも。しかも今回の日本の旅で紹介される事例は、野草料理研究家・若杉友子さんをはじめ精進料理や鰹節など日本の伝統食文化の掘り起こしであり、その文化の根底にある”もったいない”精神を現代社会に照らし合わせて実践している方々の新たな提案。明日をも知れぬ時代ではあるが、それも今の私たちの行動にかかっているのだということを改めて考えさせてくれる作品だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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