シネマトゥデイ

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「色」と「形」が原初的な恐怖を呼び起こす

  • ミッドサマー
    ★★★★

     すべての色と形に意味がある。画面に現れる建造物の造形、布に描かれた絵、空と花が、その色と形だけで、北欧起源の人々のDNAに埋もれた記憶を刺激するのではないか。それは日本で育った私たちが「もののけ姫」の植物相や装飾物を見たときに、縄文時代の記憶を揺さぶられたと感じたのと同様の感覚だろう。それらの"そんなはずはないのに確かに知っている"と感じさせる色と形は、懐かしくもあるが、畏怖の念をも呼び起こす。なぜなら、それにまつわる恐ろしい出来事をDNAが忘れていないからだ。それを明解にするため、登場人物たちは民俗学を学ぶ学生だという設定になっている。その原初的恐怖は、北欧系ではない観客にも伝わってくる。

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。著作に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: 「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のソフィア・リリス&ワイアット・オレフ共演の思春期超能力モノ「ノット・オーケー」@Netflix を見始めたら一気見。冒頭から「キャリー」オマージュを宣言して、なるほどな展開。各話30分でサクサク見られるのも快適。グラフィック・ノベル原作で、クリエイター・コンビの一人は「このサイテーな世界の終わり」@Netflixのジョナサン・エントウィッスル。ふとした時に流れる80年代UKポップにもヤラレる。

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