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スペインは呼んでいる (2017):映画短評

スペインは呼んでいる (2017)

2019年11月8日公開 108分

スペインは呼んでいる
(C) SKY UK LIMITED 2017.

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

山縣みどり

物真似がますます冴え渡る人気シリーズ

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

S・クーガンとR・ブライドンが新聞の食レポに出る人気シリーズの第3弾は、ファンなら爆笑確実。もちろん、中年の危機を感じる二人がストレスフルな現実を忘れる息抜き旅行(?)をしながら、それぞれが大事にしていることを再確認する流れは同じで、ややマンネリ気味。でも虚実が混在する会話の間に挟まれる二人の物真似合戦が魅力の一つで、W・アレンやマッケラン様、M・ブランド、デニーロと百花繚乱。しかも、今回はさらに高度。“M・ケインのモノマネをするM・ジャガー”を真似たロブをクーガンが真似るなんて複雑すぎるネタが披露され、思わず拍手しそうになった。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

おバカなオジサンたちのほのぼのスペイン美食紀行

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 子供じみたオジサン2人が、アホなギャグかましながら美食の旅を続ける…というだけの内容ながら、なぜか飽きることなく楽しめてしまう、マイケル・ウィンターボトム監督のモキュメンタリー映画シリーズの第3弾。今回スティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンが旅をするのは、美食の宝庫である南欧スペインだ。カンタブリアやラ・リオハ、アンダルシアなどスペイン各地の美しいロケーション、行く先々で出会うグルメ料理の数々はもちろん、主人公2人によるミック・ジャガーからマーロン・ブランド、マイケル・ホーダーンに至るまでのモノマネ合戦がまた見もの。ロジャー・ムーア版ボンドVSスカラマンガの対決など思わずニヤリとさせられる。

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斉藤 博昭

心地よい哀愁に包まれて、これで完結でも悪くない

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

背景の国と、旅先の料理は変わっても、基本的にここまで徹底して同じスタイルを貫く姿勢はアッパレ。「寅さん」や「水戸黄門」を観ているような「お約束」の美学が、この3作目にも溢れている。相変わらず、マニアなネタについてこられない観客もおかまいなし…も潔い。

1作目と比べると、主演2人の外見にもわずかに「老い」が忍び寄ってきて、何かと話題になるのが、年齢に伴う肉体的&精神的な衰えだったりして、やけに切実で胸を締めつけてきたりも。その切なさがじわじわ蓄積され、ラストでは、過去2作とは違う、そこはかとない哀愁が漂うのであった。これで3部作完結なら美しいが、悪あがきでもいいから続いてほしいと、複雑な心境。

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平沢 薫

誰かとラクに過ごすという贅沢をたっぷり味わう

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 まったく気を使わなくていい友人と、ラクな旅に出る。そんな、やろうと思えばやれそうでなかなか出来ない旅を、疑似体験させてくれるのがこのシリーズ。景色もグルメもいいけど、そんな旅のいちばんの魅力は、誰かとただのんびり過ごすという、贅沢な時間の使い方。そんな時間を、実際に親友同士の英国俳優2人、「俺たちのラストステージ」のスティーヴ・クーガンと、「シンクロ・ダンディーズ!」のロブ・ブライドンが過ごす。それを見ながら、自分もその場にいる気持ちになって、豊かな時間をたっぷり共有する。2人のお笑いネタの応酬も、友人の宴会芸を見ている気分。シリーズ3作目で2人のノリにも慣れて、気分はますますリラックス。

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森 直人

ムイビエン!(とてもいい)

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

いよいよ自称「円熟期」の50代に突入したスティーヴとロブ。中年&老いの危機ネタと数々のモノマネ芸がユルく炸裂する英国発の旅バラ人気企画第3弾。今回はサンタンデールからマラガまで南下の5泊6日、ドン・キホーテとサンチョ・パンサのノリでお送りする絶景&美食&無駄話の珍道中だ。

スティーヴのオスカーノミネート作『あなたを抱きしめる日まで』の自慢やD・ボウイの話題など、やはり本人とニアリーイコールの役で現実と虚構をまぜこぜにする楽しさがいっぱい。比較したいのはリンクレイター監督の『ビフォア』シリーズだが、男同士のバディ物のこちらは緊張感よりリラックスムードが強く、もっと長い付き合いになりそうだ。

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中山 治美

スペイン+マイケル・ナイマン……まさかのマリアージュ

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

『イタリアは呼んでいる』に続いて、2人の与太話とモノマネ合戦で旅の情報が全く頭に入ってこない新種のロードムービーだ。しかしスペインの広大さと歴史を色濃く映すバスクからアンダルシアに南下する縦断ルートで、写っている映像の情報量は豊富。さらに、バッグに流れる音楽は、M・ウィンターボトム監督の傑作『ひかりのまち』でも使用されたマイケル・ナイマンのナンバーで、ドラマチックな旅となることを予感させる。悪ふざけの合間に明らかになる仕事、家庭、恋etc…。眩しい太陽の下で惑う彼らの姿にままならぬ人生を想うと同時に、完全にシリーズ化を見越したウィンターボトム監督の巧妙な仕掛けの数々に職人技を見るのであった。

この短評にはネタバレを含んでいます
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