心地よい哀愁に包まれて、これで完結でも悪くない

2019年11月8日 斉藤 博昭 スペインは呼んでいる ★★★★★ ★★★★★

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スペインは呼んでいる

背景の国と、旅先の料理は変わっても、基本的にここまで徹底して同じスタイルを貫く姿勢はアッパレ。「寅さん」や「水戸黄門」を観ているような「お約束」の美学が、この3作目にも溢れている。相変わらず、マニアなネタについてこられない観客もおかまいなし…も潔い。

1作目と比べると、主演2人の外見にもわずかに「老い」が忍び寄ってきて、何かと話題になるのが、年齢に伴う肉体的&精神的な衰えだったりして、やけに切実で胸を締めつけてきたりも。その切なさがじわじわ蓄積され、ラストでは、過去2作とは違う、そこはかとない哀愁が漂うのであった。これで3部作完結なら美しいが、悪あがきでもいいから続いてほしいと、複雑な心境。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:LAの『フェアウェル』ルル・ワン監督、ロンドンの『カセットテープ・ダイアリーズ』グリンダ・チャーダ監督に、Skypeインタビュー。ともに外出規制などある中、前向きに明るく話してくれて、一刻も早い日常生活の復活を祈るのみ。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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