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漫画誕生 (2018):映画短評

漫画誕生 (2018)

2019年11月30日公開 118分

漫画誕生
(C) 漫画誕生製作委員会
森 直人

「時代は変る」中で

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

昨年の東京国際映画祭で感嘆した力作。まず着想がいい。北沢楽天の青年期と、第一線を退いた老年期を描くことで、明治から昭和――「手塚治虫以前」の漫画史を概観する。ジャンルを超えた多士済々な実在の傑物たち(宮武骸骨、岡本一平、福沢諭吉……)が登場する歴史絵巻としても充実。そして時代と表現、仕事をめぐる射程の長い問いかけにも唸る。

イッセー尾形のカリスマ性、若い役者たちの良さ、篠原ともえの好演。監督・大木萠(『花火思想』)の正攻法の取り組みに骨太の意志を感じる。併せて上映したい映画を挙げるとしたら新藤兼人の『北斎漫画』か。また本作を観て戦時下の漫画家たちの戦争協力というテーマに興味が湧いた。

この短評にはネタバレを含んでいます
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