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ガーンジー島の読書会の秘密 (2018):映画短評

ガーンジー島の読書会の秘密 (2018)

2019年8月30日公開 124分

ガーンジー島の読書会の秘密
(C) 2018 STUDIOCANAL SAS

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

なかざわひでゆき

恩讐を超えて未来へ一歩を踏み出すことの大切さ

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 第二次世界大戦当時、ナチスドイツに占領されたイギリス王室保護領チャンネル諸島のガーンジー島。戦争のトラウマを抱えた若い女流作家が、終戦後にふとした縁でガーンジー島の読書クラブを訪れ、島の素朴な人々と交流を深めていくうち、彼らが重く口を閉ざす戦時中の暗い出来事、戦争さえなければ起こるべくもなかった悲劇を知ることになる。平和な時代が訪れてもなお、島の狭い社会に深い傷跡を残す戦争の記憶。その複雑な真相を徐々に紐解きつつ、恩讐を超えて未来への一歩を踏み出すことの重要性を描く。フェミニズム的な視点の強いところは、女性映画の名匠マイク・ニューウェルならでは。地味ながらもジワジワと胸に迫る佳作だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

『ダウントン・アビー』ファンも大満足(のはず)の人間賛歌!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

第二次大戦を生き延びた女性作家ジュリアによる謎解きと、彼女の取材で明らかになる戦争の傷跡、ロマンスを巧みに組み合わせた人間賛歌だ。ジン造りが趣味のエキセントリック女性やおとぼけ郵便局長といったユニークな島民が奏でるほのぼのハーモニーとユーモアはM・ニューウェル監督流で、戦争の痛みと悲しみを和らげる効果あり。フラッシュバックで描かれる戦時下の切ないドラマとジュリアをめぐる物語が希望へとつながる展開が前向きで、見る人の胸に明るい灯火を灯すはず。L・ジェイムズ演じるヒロインやジェシカ・B・フィンドレイら『ダウントン・アビー』組が多数出演していて、ファンにはたまらないはず。

この短評にはネタバレを含んでいます
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