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ザ・ファブル (2019):映画短評

ザ・ファブル (2019)

2019年6月21日公開 123分

ザ・ファブル
(C) 2019「ザ・ファブル」製作委員会

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

くれい響

これぞ見たかった岡田准一の雄姿

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『サムライ』のアラン・ドロンにも似た小鳥を飼う殺し屋で、全盛期のジャッキー・チェンのような、これぞ見たかった現代アクションでの岡田准一の雄姿。顔芸などで、原作よりコミカルキャラが増したほか、『図書館戦争』以来、師弟関係である福士蒼汰とのキレッキレバトルもたまらない。『闇金ウシジマくん Part2』のストーカー役にも匹敵するヤバさを放つ柳楽優弥など、濃厚キャラ大集合に食傷気味になる恐れもアリ。ただ、ガイ・リッチー風演出など、かなりの意欲作だけに、香港映画なら100分以内にまとめられるかも? 韓国映画ならヴァイオレンス色がさらに強まるかも?など、いろいろ欲してしまうのも事実。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

アクションとギャグに特化して清々しい

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 とにかくアクションとギャグだけをやる。表現は、この映画内限定の独自の物理法則だけに従う。そうした確固たる決意が画面にみなぎっていて清々しい。
 冒頭からすぐ、凄腕過ぎる殺し屋による現実にはありそうもない大量銃殺が続くのだが、それをただ人が倒れるという映像で描くのではなく、そのとき主人公が脳内で見ている銃弾の軌道予測をCGで描くという手法で目を楽しませてくれる。こういう演出がもっと見たかったが、それはさておき個性的な殺し屋たちの身体を使ったアクションの切れ味は鋭く、運動速度も快適。そこに、俳優たちの現実ばなれしたオーバーな表情と動作が掛け合わされて、独特な世界を描いている。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

コミック実写化の、思いもよらぬ極上の見本

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

冒頭こそ、日本映画にありがちな「説明過多」描写に不安がよぎるが、それも一瞬のこと。原作のファブル=佐藤と、岡田准一のリンクしなかったイメージも余計な心配だった。原作の「精神」と「うつろな目」を維持しつつ、なおかつ実写で生々しく生きるキャラに変貌させていたから恐れ入る。木村文乃は原作そのもの。

何より岡田本人が明らかに自分で動いているので、アクションが見やすいし、その撮り方も的確。後半の盛り上げ方も映画らしい。そしてユーモアのタイミングと量がちょうどよく、佐藤のとぼけた味わいがまさに「スパイス」で効いてくるのだ。観終わった後、この主人公にまたスクリーンで会いたくなるので、やや甘めだが満点を。

この短評にはネタバレを含んでいます
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