シネマトゥデイ

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その未開の領域はナタで開拓される

  • マルリナの明日
    ★★★★★

     インドネシア産西部劇、という宣伝は納得で、様式は西部劇。陽炎に揺れる地平線の向こうから、馬に乗った闘士が現れる。画面の中で、空は青く、土は赤く、何もない大地の中で人間は小さい。しかし、開拓するのが西部の荒野ではなく、"人間の権利"という未開の領域なのが、この映画。そのときヒロインが使う武器が、銃ではなく、大きなナタなところが気持ちいい。
     そしてきっちりインドネシア産なのが、色彩と湿度。どこまでも濃紺の空を、鮮やかなオレンジ色の円形の物体がゆっくり移動していくのが、この世界の日暮れ。画面一面に広がるオレンジ色のうろこ雲。湿度の高い南の土地ならではの風景を堪能できる。

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。著作に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: Netflixの「全裸監督」を試写で第3話まで視聴。快速で展開するピカレスク・ロマンの趣。主人公が歩き出す、第1話のラストと第3話の途中で、イギー・ポップの「The Passenger」をもっとチンピラぽくしたカヴァーが鳴って、それが似合う。続きを見るのが楽しみ。

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