シネマトゥデイ

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イタイところを突く笑いが全編を貫く

  • ドント・ウォーリー
    ★★★★

     実話でもあり、もし観客を泣かせようとする映画にしようと思えばいくらでもできるところを、ガス・ヴァン・サント監督はそうはしない。映画は、主人公のモデルとなった実在の風刺漫画家の精神の強靱さを描く。
     その精神は、映画に登場する彼の風刺漫画に貫かれている。彼が描くのは、"常識に捕らわれている人々のイタイところを突く"というキツい知的な笑い。そのギャグ感覚は、彼自身にも向けられる。映画は、主人公が過酷な経験を経ても、そうした笑いを描く精神の鋭さを失わなかったことを描くのだ。ルーニー・マーラ演じる女性が、まるでこの世のものとは思えないような愛らしさで、"救い"の擬人化に見えてくる。

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。著作に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: コロンビア製作の「グリーン・フロンティア」@Netflixは、時代の異なる複数の物語が同時進行する"密林のマジックリアリズム"な全8話。現在のアマゾンで起きた大量殺人事件を捜査する女性刑事のドラマと、太古から森を守ってきた精霊たちの神話、いつの時代か分からない精霊と人間の物語が交錯していく。実際にアマゾン森林火災が起きた今、リアルすぎる物語になっているかも。

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