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キャプテン・マーベル (2019):映画短評

キャプテン・マーベル (2019)

2019年3月15日公開 124分

キャプテン・マーベル
(C) Marvel Studios 2019

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

くれい響

スタン・リーの笑顔が泣かせる

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

スタン・リー追悼ヴァージョンとなったマーベル・ロゴから追悼文へと続くオープニング。おなじみカメオ出演では、ヴァースとすれ違う電車内で、ケヴィン・スミス監督の『モール・ラッツ』台本片手に、セリフ練習をしており、1995年縛りのこだわりに泣けてくる。『ハーフネルソン』の監督コンビだけに、ヴァースが異世界で出会う人々との距離感を描いたドラマパートはさすが! 『アントマン&ワスプ』でのミシェル・ファイファー的扱いなアネット・ベニングの使い方も面白いが、やはり『アベンジャーズ/エンドゲーム』への橋渡し的意味合いも強く、単体作品として観ると『ワンダーウーマン』ほどのパワーは感じられず。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

「軍もの」のジェンダー語り直し(&90年代ネタ)

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

レンタルビデオ店「ブロックバスター」でヒロインが『トゥルーライズ』のパネルを撃ち倒し、『ライトスタッフ』のVHSを手に取り棚に戻す。短いシーンだが、米空軍で辛酸をなめた彼女の心情の「意味」が凝縮されているようだ。要は『ブラック・クランズマン』的な、男性主義に支配されてきた映画史の見直し、女性キャプテンの反撃。ハリウッド娯楽最前線は常に時代の鏡である。

ちなみにブリー・ラーソンはナイン・インチ・ネイルズのロゴTを着用し(以前はガンズ)、ニルヴァーナやREMやホール等が流れるわけだが、レコ屋店頭にスマパンやPJハーヴェイ等のポスターを貼るだけでも90年代テーマパーク感は充分出るもんだなと思った。

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山縣みどり

無敵のヒーローは、女性のエンパワーメントの象徴!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

マーベル・コミック・ユニヴァース(MCU)もそろそろ世代交代の時期で、本作は新たなリーダーの誕生を思わせる。作家性の強いアートハウス作品で活躍していた演技派B・ラーソンの存在感が圧倒的だし、彼女がS・L・ジャクソン本来の魅力を存分に引き出した。ケミストリーの勝利! 脚本が弱いが、ヒロインが覚醒する後半は勢いを増す。時代を反映した作風で、「女のくせに」と言い続けられて反骨精神を鍛えたヒロイン、黒人のシングルマザーである親友、さらには主人公のメンターとなる女性科学者ととにかく女性陣が興味深い存在として描かれている。女性のエンパワーメントの象徴のような作品だ。

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なかざわひでゆき

間違いなくマーベル映画史上最強のヒロイン登場!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 MCU初の単独女性ヒーロー映画ってことで、海外ではフェミ嫌いのアンチどもが必死にネガキャンを繰り広げているようだが、しかしぶっちゃけ目立ったフェミニズム的要素は殆どなし。奴らはいったい何と戦っているんだろうか。と、それはさておき、『アントマン&ワスプ』以上に明朗快活なノリの良さが楽しい本作。ヒーロー覚醒後のキャプテン・マーベルの、ほぼ無敵としか言いようのないべらぼうな強さには拍手喝采だ。演じるブリー・ラーソンの爽やかな普通っぽさとのギャップも良い。マーベル映画新時代の到来を実感。もちろん、アベンジャーズ誕生秘話としても興味深いし、次作『エンドゲーム』の伏線となるラストも見逃せない。

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平沢 薫

キャプテン・マーベルが覚醒するとき、世界が光り輝く

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ついに主人公が真の力に目覚めたとき、驚異的パワーによる大暴れが始まる。そのさまがひたすら快感。主人公が感じている爽快感、開放感を一緒に味わうことができる。そのとき画面はまぶしい光に満ちて、赤、青、黄金色に輝き、その色彩と輝度で、これぞマーベルの力なり、と高らかに宣言する。
 この色彩感覚をはじめ全編のレトロなテイストは、舞台が90年代なのを意識したものだろう。なのでアクションも身体を使った格闘系が中心、スーツのデザインも古典的。90年代を知る観客なら、当時のビデオ店やPC画面、ヒット曲の数々に思わずニヤリ。一方、ストーリーに謎解き要素もあるのが新鮮。もちろん、MCUへのリンクもたっぷりだ。

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斉藤 博昭

マーベル他作をあれこれ考えず、純粋にドラマを楽しめた

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

MCU初の女性主人公なので当然、女性として受ける不当な差別なども込められるが、失った記憶を巡る自分探しや、甦る熱い友情など、主人公の「人として」のドラマに知らず知らず、スムーズに感情移入してしまった。他者を見かけで判断してはいけないというシニカルな味つけも、ヒーロー映画の凝り固まった常識を崩してくる感じで、やけに心地よい。
マーベルヒーロー映画で、しかも最強パワーのわりに、アクション場面は見せ場に集中して、やや少なめか。でも、もっと少なくてもいいと思うくらい、ドラマとして堪能したのも事実。若き日のニック・フューリーが楽しませるが、MCUとの関係をあまり考えずに、素直に入り込めたのも新鮮だった。

この短評にはネタバレを含んでいます
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