シネマトゥデイ

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”泣ける”をウリにしない潔さ

  • ハナレイ・ベイ
    ★★★★

    子を亡くした母親サチの10年間の心の旅路を追う。
    余白の多い作品だ。その心情を安易に言葉にすると嘘が見えてしまう。
    そこで松永大司監督は、演じる吉田羊に徹底的に委ねた。
    息子が愛したハワイの大自然と向き合いながら、その死を受け入れようと模索する姿を。
    『トイレのピエタ』の時は俳優を若干強引に脚本で動かそうとする嫌いがあったが、そこは監督としての大きな成長だ。
    同情されるのを好まないサチの心情を表すかのように、観客の涙腺を誘うシーンの余韻を断ち切る編集もいい。
    賛否あるだろうが、”泣ける”を売りにする作品が多い中、サチの葛藤を簡単に感動の道具にはさせまいとする気骨さを評価したい。

⇒映画短評の見方

中山 治美

中山 治美

略歴: 茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。週刊女性、GISELe、日本映画navi、goo映画、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、朝日新聞webサイトおしごと博物館内で「おしごとシアター」などで執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況: 本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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