シネマトゥデイ

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決して、劇場以外では見ないでください!

  • ゼロ・グラビティ
    ★★★★★

    まず断言。これは映画館で観なければ何の意味も効力もなし!! しかも絶対に3D、できればIMAXがおすすめ。逆にDVD発売やTV放映、ネット配信されると真価が誤解されるから、いっそ辞めたほうがいいのでは? その代わり劇場でずっと上映し続けて欲しい。

    本作の技術的賛辞は他の識者の方々に任せるとして、特に筆者が感心したのは、宇宙空間と映画館を“暗闇”でつなげた発想。3D映像と客席空間を同化・連続させることで、まるでスクリーンのフレームが消滅したような立体視世界を疑似的に実現しているのだ。おかげで我々は作品の中にすっぽり包み込まれた気分になる。

    かつて幻覚的な体感性をめざした『2001年宇宙の旅』、本格3D時代の扉を開けた『アバター』の先に立つ本作は、テクノロジーの進化が達成した「映画2.0」とでも呼ぶべき一本。だが同時にシンプルな視覚の驚きを志向する点で『列車の到着』や『月世界旅行』といった映画史の起源=“ゼロ地点”への回帰でもある。またドラマは簡素に凝縮されているが、S・ブロック演じるトラウマを抱えた宇宙飛行士の人生再生劇としても、一切無駄のない精度を備えていることを記しておきたい。

⇒映画短評の見方

森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: YouTube配信番組『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。11月8日より、渡辺紘文監督&雄司さん(『普通は走り出す』ほか大田原愚豚舎の世界)の回を配信中。ほか、瀬々敬久監督(『楽園』)、今泉力哉監督(『アイネクライネナハトムジーク』)、二ノ宮隆太郎監督(『お嬢ちゃん』)、大森立嗣監督(『タロウのバカ』)、樋口尚文監督(『葬式の名人』)、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(『SHADOW/影武者』&『帰れない二人』について)、田中征爾監督(『メランコリック』)、大崎章監督(『無限ファンデーション』)、安里麻里監督(『アンダー・ユア・ベッド』)、深田晃司監督(『よこがお』)、江口カン監督(『ザ・ファブル』)、長久允監督(『ウィーアーリトルゾンビーズ』)、工藤梨穂監督(『オーファンズ・ブルース』)、三宅唱監督(『ワイルドツアー』)、佐向大監督(『教誨師』)、片山慎三監督×松浦祐也さん×和田光沙さん(『岬の兄妹』チーム)、二宮健監督(『チワワちゃん』『疑惑とダンス』)、広瀬奈々子監督(『夜明け』)、緒方貴臣監督(『飢えたライオン』)、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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