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小泉今日子、相米慎二監督は「なぞなぞおじさん」 ミニシアターの経験が血肉に

小泉今日子(2016年のイベントにて撮影)
小泉今日子(2016年のイベントにて撮影)

 女優、プロデューサーの小泉今日子が13日、翌14日23時59分に期限を迎える小規模映画館を支援するクラウドファンディング「ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金」のイベント「ミニシアター・エイドLIVE#ミニシアターと私」(YouTube配信)に参加。自身のキャリアの血肉となったミニシアター体験、2001年の主演作『風花 kaza-hana』での故・相米慎二監督との忘れがたい思い出などを語った。

【写真】小泉今日子×黒沢清監督の2008年の映画

 小泉パートでの司会は、プロジェクトの発起人である深田晃司監督と濱口竜介監督が担当。両監督はイベント出演をオファーする前にプロジェクトを応援してくれたことを感謝すると共に、黒沢清監督の『トウキョウソナタ』(2008)を挙げながら小泉を「監督に影響を与える存在」と評した。

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 小泉はイベントに出演した理由を「どの業界も業務も大変な状況だと思うのですが、映画、自分は演劇も作っているので自分が関わっている仕事で何かできることがあるのであれば協力できたらと」とコメント。20代のころにミニシアターに通っていた記憶をたどり、「ミニシアターブームのころ、今はなくなってしまったけど渋谷のシネマライズ、六本木のシネ・ヴィヴァンなどでジョン・カサヴェテス作品や『想い出のサンジェルマン』(1967)、『バグダッド・カフェ』(1987)などを観て世界が広がりました。当時はまだ歌手で忙しかったし、外を歩いていても目立ってしまうのですが、そんな中で自分の世界を広げるために観た映画が後の自分に影響を与えた。映画への興味、あこがれも強くなった気がします」と振り返る。

 深田監督は、小泉が出演したミニシアター系作品の『風花』に注目し、話題は相米慎二監督の現場に及んだ。当時は「違うところに立っている」感覚があったといい、「アイドル歌手としてデビューをしてコンサートをやったり映画、ドラマにも出ていたけど、いつもどこか本気になれていないというか、演技をしているのがちょっと恥ずかしい感覚もあって」とジレンマがあったことを打ち明ける。しかし、相米監督からオファーがあった際には「すぐに(現場に)入りたいと逆に追いかけていった」というほど感激し、相米監督の印象を「なぞなぞおじさん」とユニークな言葉で表現。

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 『風花』は、エリート官僚(浅野忠信)が成り行きでアラサーの風俗嬢(小泉)と北海道に旅する物語で、相米監督の演出は独特なものだったようだ。「(演出では)はっきりああしてほしい、こうしてほしいというより急に昔話をし出して、テストが始まったときに『これがさっきこうしてほしいということだったのかも」と思ったのを覚えています。相米監督は共演の浅野さんを『あいつはおまえの敵だから』と。浅野さんには「お前なんか見ていない。キョンキョンだけきれいに撮れればいいんだよ」と言っていたそうで、そうして自然に(キャラクターの)気持ちを作ってくださっていました」

 「子供のころから20代の時に映画を観て考えたことというのは血肉になっている感覚がある」と小泉。新型コロナウイルス感染拡大の状況下で危機に陥ったミニシアターに「なくなってはいけないし、頑張ってほしい。その映画を観て何かを考える、感じることをもっともっとたくさんの人に経験してほしい。大変な時だけれど、晴れて映画館に通えることになったらわたしもどんどん観に行きたい」と強い思いを語っていた。(編集部・石井百合子)

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