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ぴあフィルムフェスティバル、「大島渚賞」新設 坂本龍一が審査員長

会見に出席した矢内廣PFF理事長(左)と女優の小山明子(右)
会見に出席した矢内廣PFF理事長(左)と女優の小山明子(右)

 1977年から続く自主映画の祭典「ぴあフィルムフェスティバル」(以下、PFF)が新たな映画賞として「大島渚賞」を新設することが4日、都内で行われた会見で明らかになった。会見に出席した故・大島渚監督の妻で女優の小山明子は、映画賞新設に「大島もさぞかし喜んでいる」と心境を明かした。会見には、ぴあ株式会社代表取締役社長でPFF理事長の矢内廣とPFFディレクターの荒木啓子も出席した。

大島渚監督の妻・小山明子、PFF新映画賞を語る!【画像】

 「大島渚賞」は、自ら世界に挑戦し、新しい道を切り拓こうとしている若い映画監督を顕彰する映画賞。記念すべき第1回では、大島監督作『戦場のメリークリスマス』に出演し、音楽も担当した坂本龍一が審査員長を務め、映画監督の黒沢清、PFFディレクターの荒木啓子が審査員に名を連ねる。日本で活躍する映画監督を選考対象とし、劇場公開作品が3本程度、前年に発表された作品があることを条件とする。第1回の受賞者は2020年2月に発表予定で、3月19日に授賞式(会場:丸ビルホール)が行われ、翌日20日に受賞監督作品の記念上映会が開催される。

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 映画賞について、矢内社長は「映画の新しい才能を発見する『PFFアワード』、その才能を育成する『PFFスカラシップ』、そしてその才能をさらに世界へと飛躍させるための賞として『大島渚賞』が位置付けられます」と説明すると、荒木も「大島渚スピリッツが一番大事なんです」と続く。

 矢内社長は、「3年ほど前に小山さんから連絡があり、『PFFの中で大島渚賞を作ってくれませんでしょうか』という申し出がありました。そんなビッグネームの賞が、PFFでいいのかと驚きました」と率直な思いを告白。「小山さんは『大島はPFFの話をいつもしていました。大島渚賞はPFFで作られるのがふさわしい。大島の遺志だと思って受けてください』とまで言ってくださったんです」と小山の言葉に背中を押されたという。

 小山は「作ってほしいと申し上げたのは私です」とうなずき、「大島は若い人の才能が大好きでした」とニッコリ。大島監督が手塚眞監督の才能に初めて触れたときに大興奮したエピソードなどを振り返りつつ、「(大島監督は)若い人の映画から刺激をもらうことが大好きな人でした」とコメント。結婚前には「いつか世界に通用する監督になって、君を海外に連れて行く」という内容のラブレターをもらったといい、「同じものは作らないという信念があった。『日本の夜と霧』ではワンシーン・ワンカットの長回しがあって、一方『白昼の通り魔』は1,000カット以上もある。すごいチャレンジャーで、いつも好奇心と冒険心があった」と大島作品について語りながら、意欲あふれる才能の登場を期待していた。(取材・文:成田おり枝)

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