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星野源、内気な侍に共感「好きなことが自立への柱に」

みんな大好き!星野源
みんな大好き!星野源 - 写真:上野裕二

 星野源が、初主演映画『箱入り息子の恋』以来、約6年ぶりに実写映画の主演を務めた時代劇コメディー『引っ越し大名!』が、間もなく公開される。星野が演じたのは本の虫で、人と関わりたがらない内気な侍。しかしある日、「国替え=引っ越し」の総責任者という大役を押し付けられ、その壮大なミッションに臨むうちに成長していく。そんな主人公像に、かつて家にこもっていた時期の自身を重ね、「好きなものに没頭し、エネルギーを溜め込んだ大切な期間」と振り返った。

【動画】星野源主演『引っ越し大名!』大合唱シーン

 原作は土橋章宏の「引っ越し大名三千里」。先に映画化され、大ヒットした『超高速!参勤交代』シリーズで知られる人気作家で、今回も自ら脚本を担当しており、手元に届いたこのシナリオを一読した時点で星野は出演を決めた。「ユニークな視点の面白さに惹かれましたね」と彼が語る通り、またもや時代劇の新ジャンルを開拓した作品と言えよう。

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引っ越し大名!
映画『引っ越し大名!』より (C) 2019「引っ越し大名!」製作委員会

 星野が演じるのは姫路藩の書庫番で、性格は内向的。人と話すのが苦手な、書庫に引きこもって本ばかり読んでいる侍・片桐春之介。この男が“引っ越し奉行”に任命されたことから起こる大騒動がコミカルに描かれる。当時の引っ越しは“国替え”と呼ばれ、全ての藩士と家族が移動し、桁外れの費用と労力を要するものだった。春之介は、その国替えの総責任者。“引きこもり侍”と揶揄(やゆ)されていた彼が一念発起し、知恵と創意工夫とで臨んでいくのが見どころだ。

 音楽家でもある星野は、今年の2月から3月にかけて初の5大ドームツアーを敢行。33万人を動員し、大成功を収めた。いわば時代の寵児であるが、「分類すれば自分も、春之介と同じタイプ」だという。学生時代の引きこもり期のことを振り返ると、春之介が他人とは思えないとも。「外から見れば春之介は、社会からの逃避者になるのでしょうけれど、僕には好きなものに没頭し、エネルギーを溜め込んでいる大切な期間のような気がしたんです。その期間があったからこそ、今こういうふうに人前に出られるようになったとも思っています。映画の前半部で春之介は一度、切腹へと追い込まれていくのですが、そこでついに生のエネルギーが爆発して、眠っていた長所が目覚め出す。そのシーンは自分の実感を伴わせながら、彼の奔流するエネルギーを表現しようと努めました」

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星野源

 迷走しがちな春之介は、周囲の仲間たちの助けを借りながら、何とか藩の財政を把握し、必要な予算を算出。できる限り人と物の両面でスリム化を図るのと同時に、資金を調達すべく走り回る。現代の“サラリーマンもの”を目指したという犬童監督は本作について、「リーダー論」を説いているとも。それを受けて星野はこう語る。「局面に応じて春之介は自分の尺度で考え、行動しているだけなのですが、その発想の仕方があの時代の中では独特なんです。スリム化を図るため、ものを捨てることを提案するのですが、『捨ててください』とお願いしている張本人がやらないでどうすると、春之介は自発的にある決断をすることになる。ここではリーダーとしての素質がうかがえます」

星野源

 気が弱くて不器用なキャラクターは、大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(2016・TBS系)を想起させるが、物語が進むにつれて春之介は次第に成長し、どんどんたくましくなっていく。そんな春之介に、星野は「僕がこの映画が好きなのは、(主人公が)好きなものを捨て自己否定の末にブレイクするのではなく、あくまで好きなものが社会に出たときの自分を救い、支える自己肯定の物語なところ。得た知識や好きな物の蓄積が、自立への柱になるんです」と思いを巡らせる。

 共演に高橋一生高畑充希及川光博小澤征悦濱田岳西村まさ彦松重豊ら。今年10月に吉永小百合天海祐希共演『最高の人生の見つけ方』の公開も控える犬童一心が監督を務めている。(取材・文:轟夕起夫)

映画『引っ越し大名!』は8月30日より全国公開

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