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齊藤工、映画界への貢献を評価され日本映画ペンクラブ特別奨励賞に

「齊藤工」名義で映画監督としても活躍する斎藤工
「齊藤工」名義で映画監督としても活躍する斎藤工 - Jun Sato / WireImage / Getty Images

 映画評論家、翻訳家、監督などによる任意団体「日本映画ペンクラブ」(代表:映画評論家・渡辺祥子。会員数150人)が2018年の映画界に多大な貢献をした個人・団体をたたえる日本映画ペンクラブ賞を10日に発表し、映画監督・俳優の齊藤工が日本映画ペンクラブ賞特別奨励賞を受賞した。同賞は今年で第47回となるが、俳優の受賞は、ショートショート フィルムフェスティバル & アジアを普及させた2001年度の奨励賞受賞者・別所哲也に続いて2人目となる。

 受賞理由は長編初監督作『blank13』(2017)を発表し積極的に国内外の映画祭や地方の劇場に駆けつけただけでなく、2014年からは映画館のない地域に映画を届ける移動映画館プロジェクト「cinema bird」を発案し、2018年も沖縄・うるま市で開催。動画配信が普及していく中、製作者と観客の出会いの場や映画という娯楽を共有する場の重要性を発信し続けてきた功績が評価されたもの。

 また、発展途上国で映画を見たことのない子供たちに上映活動を行っている「World Theater Project」に賛同し、権利フリーのクレイアニメ『映画の妖精 フィルとムー』(2017)の企画・発案に携わり、一俳優にとどまらぬ活動は他の俳優や映画業界にも確実に影響を与えていることから、今後も日本映画界を牽引していく存在になることへの期待も奨励賞には込められているという。

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 一方、日本映画ペンクラブ賞は、独立行政法人国立美術館の映画専門機関・国立映画アーカイブが受賞。同機構は2018年4月に東京国立近代美術館フィルムセンターを改組し、独立行政法人国立美術館の6番目の館として新たなスタートを切ったばかり。従来の映画の収集・保存・活用だけでなく、アーカイブとしての「映画を残す、映画を活かす」の主要ミッションを果たすかのように企画されたスタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』(1968)の70mm版特別上映も大きな話題も呼んだ。

 日本映画ペンクラブ賞特別功労賞は、アミール・ナデリ監督『CUT』(2011)やアッバス・キアロスタミ監督『ライク・サムワン・イン・ラブ』(2012)の日本ロケを実現させるなど、約35年に渡って日本とイラン映画界の架け橋を担ってきたイラン出身日本在住のショーレ・ゴルパリアンへ。さらに今年は日本映画ペンクラブの創立60年を記念して日本映画ペンクラブ60周年記念特別賞が設けられ、2018年に開館50周年を迎えた東京・神保町の岩波ホールへ贈られる。

 この日は同時に、会員選出の2018年度ベスト映画も発表され、日本映画部門は是枝裕和監督『万引き家族』、外国映画部門はマーティン・マクドナー監督『スリー・ビルボード』(2017)、文化映画部門は三上智恵大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』がそれぞれベスト1に輝いた。ベスト10入りした作品は以下の通り。授賞式は3月12日に都内ホテルで行われる。(取材・文:中山治美)

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<2018年度日本映画ペンクラブ会員選出ベスト映画>

【日本映画】
1位『万引き家族』
2位『カメラを止めるな!
3位『孤狼の血
4位『焼肉ドラゴン
5位『日日是好日
6位『菊とギロチン
7位『散り椿
8位『寝ても覚めても
9位『モリのいる場所
10位『きみの鳥はうたえる

【外国映画】
1位『スリー・ビルボード』
2位『ボヘミアン・ラプソディ
3位『アリー/スター誕生
4位『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
5位『シェイプ・オブ・ウォーター
6位『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~
7位『1987、ある闘いの真実
8位『ファントム・スレッド
9位『グレイテスト・ショーマン
10位『君の名前で僕を呼んで』『レディ・バード

【文化映画】(6位まで)
1位『沖縄スパイ戦史』
2位『フジコ・ヘミングの時間
3位『ニッポン国VS泉南石綿村
4位『太陽の塔』『ぼけますから、よろしくお願いします。
6位『愛と法

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