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2018年の成功作・失敗作

今年を象徴する大ヒット! - 映画『ブラックパンサー』より
今年を象徴する大ヒット! - 映画『ブラックパンサー』より - Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 2018年もいよいよ終わりに近づいてきた。この後もまだ『アクアマン』『メリー・ポピンズ リターンズ』などヒットが見込める作品の北米公開が控えているが、現時点までですでに今年の北米興行収入は昨年の10%増しで、史上最高になると見られている。そこに意外にも大きく貢献した作品もあれば、そうなるはずだったのにならなかったガッカリ作品もあった。それらのうちいくつかを振り返ってみよう。(Yuki Saruwatari/猿渡由紀)

【動画】続編も進行中!大ヒットした『クレイジー・リッチ!』

 今年を象徴する大ヒットは、何を差し置いてもまず『ブラックパンサー』と『クレイジー・リッチ!』の2本だ。ハリウッド映画の白人偏重に批判が集まる中、この2本は、主要キャストがほぼ全員マイノリティーであっても、作品に力があれば、あらゆる人種の人々に響くということを証明したのである。さらにこの2本とも、ゴールデン・グローブ賞と全米映画俳優組合賞(SAG賞)にノミネートされた。スーパーヒーロー映画やロマンチックコメディーは従来、賞からは無視されがちなのに、そのハードルを乗り越えられたのには、文化的、社会的な意味でこれらの作品が達成したことへの評価も入っていると思われる。

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ヴェノム
観客受けは抜群だった『ヴェノム』 - (C) &TM 2018 MARVEL

 ほかに特筆すべきは、批評家の評はいまいちだったものの、観客から大歓迎を受けた『ヴェノム』と『ボヘミアン・ラプソディ』だ。前者は大手批評サイト「ロッテントマト」で29%、後者は62%の支持率だが、それぞれ北米興収は2億1,200万ドル(約233億2,000万円)と、1億8,000万ドル(約198億円・まだ上映中)。批評家と一般の観客の受け止め方のギャップについては近年、たびたび指摘されてきたが、この2本はその問題をあらためて浮かび上がらせることになった。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル110円計算)

 また、俳優として知られるブラッドリー・クーパージョン・クラシンスキーが監督した『アリー/スター誕生』と『クワイエット・プレイス』も、大ヒットしただけでなく、AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が選ぶ今年の10本に入るという快挙を果たしている。この二人の監督としての今後の活躍に、ますます注目したい。

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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
公開間隔が詰まりすぎた? - 映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』より - Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 一方で、予想されていたほどの結果を出せなかった作品だが、その一つはおそらく『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』だろう。2億1,300万ドル(約234億3,000万円)という北米興収は、普通ならば素晴らしい数字。しかし、撮影途中で監督がクビになり、大ベテランのロン・ハワードに代わったことで、製作コストが膨らんで赤字になってしまったのだ。批評家の評価も決して悪くはなかったのだが、やはり『スター・ウォーズ』ということで、あまりに期待が高かったのが、マイナス要因になってしまった。

 もう一つは『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが再び組んだ『ファースト・マン』。ベネチア映画祭やトロント映画祭でのメディアの反応は非常にポジティブだったのだが、これまでの北米での売り上げは4,400万ドル(約48億4,000万円)と、6,000万ドル(約66億円)の製作費を下回っている。ゴールデン・グローブ賞&SAG賞共に作品もゴズリングもスルーされてしまい、オスカー戦線からも遠のく一方だ。

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 ほかにガッカリの結果に終わったのは、『くるみ割り人形と秘密の王国』、そしてレオナルド・ディカプリオ製作でタロン・エガートンジェイミー・フォックスが共演した『ロビン・フッド(原題) / Robin Hood』という古典物語のリブート2本。『狼よさらば』をブルース・ウィリス主演でリメイクした『デス・ウィッシュ』、シリーズとしては8年ぶりの新作となった『ザ・プレデター』も評価も興行的にも散々な結果に終わった。昨年末に公開された『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』や、この秋の『ハロウィン(原題)』が爆発的にヒットしたことを考えると、古いもののリブート自体が悪いわけではないのは明白。ただブランドの認知度は必ずしも成功につながらない教訓を、これらの失敗例は与えている。

映画『クレイジー・リッチ!』予告編 » 動画の詳細
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