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塚本晋也、新作に込めた“叫び”!池松壮亮、蒼井優とともにベネチアで会見

第75回ベネチア国際映画祭

ベネチア映画祭に登場!
ベネチア映画祭に登場! - Andreas Rentz / Getty Images

 現地時間7日、世界三大映画祭の一つである第75回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品されている日本映画『斬、』(11月24日公開)の公式記者会見が現地で実施され、池松壮亮蒼井優塚本晋也監督が参加した。

【動画】池松壮亮の剣さばき!映画『斬、』特報

 塚本監督は監督作品としては自身初となる時代劇に挑み、『鉄男 THE BULLET MAN』(2009)、『野火』(2014)に続いてベネチア映画祭コンペ部門への3度目のノミネートを果たした。会見では「いわゆる時代劇の映画の中で江戸時代の終わりというのは、人を殺すことが当たり前で、ある時はそれがヒーローだったりするんですが、『本当にそうなのかな』と自分で思うところがありました。今の若い人が江戸時代の終わりの武士の社会に行って、人を殺さないといけないとなった時に、なんの躊躇(ちゅうちょ)もなくそれができるのか」と疑問に思ったことが製作のきっかけだと明かした。

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 その作品を塚本監督が「叫び」と表現していたことについても質問が飛んだ。2015年に『野火』をつくったことで戦争に対する不安や心配が晴れると思っていたが、そうはならず、塚本監督は恐怖から叫びたくなる衝動に駆られることがあったという。

 「その時に、昔から考えていた刀を過剰に見つめてしまう若い浪人の話というアイディア、その浪人の心と自分の叫びがあわさって、今の時代に対して、この瞬間に叫びたいという気持ちが高まって、とても短い時間に爆発して『叫んだ』という映画です」とし、「長い時間をかけて作ったというよりは、脚本もスピーディーでしたし、撮影期間も短い中で素晴らしい俳優さんとの一瞬のセッション、スパークをカメラが逃さないようにし、自分の叫びを作品にのせていきました」と説明した。

 塚本監督の両隣に座っていた池松と蒼井は塚本監督との“セッション”を振り返り、「僕が映画を志した時に日本の映画の最前線で塚本監督は映画を撮られていました。すごい才能をお持ちなんです。『なんでそんなことを思いつくの!?』という日々を送らせていただきました。塚本監督の言葉、動きの一つ一つを見逃さないように夢中になっていました」(池松)、「塚本監督と仕事ができるなんて思ってもいなかったですし、(塚本監督は)音楽室に飾られているバッハとかと同じような、遠い世界の人でした。(今回の役柄では)女性のたくましさも美しさも愚かさもいろいろ表現できればいいなと思いました」(蒼井)とコメントした。蒼井の「バッハ」という表現に塚本監督と池松はほほをゆるめ、少し遅れてその言葉が訳されると、会場に集まった外国人記者たちも笑顔になっていた。

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 また、記者席には塚本監督が『鉄男 TETSUO』(1989)でローマ国際ファンタスティック映画祭のグランプリを受賞した時に、同映画祭で審査員を務めていたイタリアの映画批評家エンリコ・ゲッツィの姿があり、「映画の美しさに感銘をうけました。言葉が足りません」と賛辞を送る一幕もあった。

 本作は、江戸時代末期という不穏な時代を舞台に、文武両道で才気あふれる浪人(池松)と、彼にかかわる人々を通じて生と死に迫った作品。蒼井は浪人の隣人である農家の美しい娘として体当たりの演技を見せている。塚本監督は監督、出演、脚本、撮影、編集、製作を務めた。ベネチアでは現地時間7日夕方より公式上映される。(編集部・海江田宗)

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