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スピルバーグをプレッシャーから救った、ロビン・ウィリアムズさんの電話とは?

名作『シンドラーのリスト』を自ら振り返ったスティーヴン・スピルバーグ監督
名作『シンドラーのリスト』を自ら振り返ったスティーヴン・スピルバーグ監督

 名作『シンドラーのリスト』の公開25周年を記念して、トライベッカ映画祭(17th TFF)で開催された特別上映後のQ&Aで、4月26日(現地時間)、スティーヴン・スピルバーグ監督が当時の思い出を振り返った。

【動画】スピルバーグが製作総指揮を務める『ジュラシック・ワールド/炎の王国』予告編

 本作は、第二次世界大戦下、1,000人以上のユダヤ人をナチスの虐殺から救った実在のドイツ人実業家オスカー・シンドラーの姿をモノクロ映像で捉えた3時間の超大作。第66回アカデミー賞では作品賞・監督賞はじめ計7部門を受賞した。

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 『シンドラーのリスト』を観客と共に鑑賞したのは、ドイツ、(ポーランド)のクラクフ(舞台となったクラクフ・プワシュフ強制収容所のあった場所)、そしてオーストリアで行われたプレミア以来というスピルバーグ監督。「25年前の出来事だけどまるで5年前のことのように思えるよ」と口火を切り、当時の思い出を語り始めた。

 スピルバーグ監督といえども、重い題材を扱い、ホロコーストの悲劇を伝える重要な任務というプレッシャーから、撮影中、塞ぎ込んだ日もあったそうで、そんな時に支えとなったのが、ロビン・ウィリアムズさんからの電話だったという。「ロビンは、僕が(撮影で)体験していたことを知り、僕の(撮影)スケジュールに合わせて、1週間に1度電話をくれていたんだ。その電話で15分のスタンドアップコメディーを聞かせてくれたよ。感情のはけ口が欲しかった僕は、腹の底から笑ったね。そして僕が最も大声で笑ったとき、彼は『さよなら!』も言わずに受話器を置いていたんだ」と懐かしそうに振り返った。

 また、驚くべきことに、今作と映画『ジュラシック・パーク』を同時期に製作していたというスピルバーグ監督。「『シンドラーのリスト』で、冬の撮影を逃すことだけはしたくなかったんだ。だから、1月に撮影しなければいけないのはわかっていたのだけど、『ジュラシック・パーク』の撮影後、かなり早くに撮影の準備ができてしまってね。だから『シンドラーのリスト』の撮影中に、週に2、3度は、(『ジュラシック・パーク』を編集していた)北カリフォルニアと衛生映像で繋いで、(編集された)T-レックスの映像を承諾していたんだ。当時は、『シンドラーのリスト』から、恐竜がジープを追っているシーンに頭を切り替えなくてはならない自分に、かなりの怒りと自責の念を感じていたよ。もちろん、その年の6月に公開された『ジュラシック・パーク』の出来栄えには感謝しているけれど、それまではかなり重荷だったね」と吐露した。

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 撮影中には、俳優たちがリアルな疑似体験からトラウマになったこともあったそうで、「俳優たちはリアルな体験に身を置いていたんだ。あるシーンに出演していた2人のイスラエル人の女の子たちが、精神的に衰弱してしまい、その後3日間も撮影できなかったほどだったよ。それでも、そんなトラウマのような体験をしている俳優たちを、僕らはしっかり捉えていたんだ。その日が最後になるかもしれないということがどういうことなのか、(人々に)理解させるうえでも、僕の人生において最もドラマチックな日々でもあったね」と感慨深げに語り、『シンドラーのリスト』を製作して以来、同様の誇り、満足感、そして本当の意味での達成感を感じることはできていないと明かした。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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