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注目のノミネート俳優に明暗!作品賞受賞はサプライズ!?

第88回アカデミー賞

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今年の作品賞は、カトリック教会の醜聞を暴いた実話を基に描く社会派ドラマ『スポットライト 世紀のスクープ』
今年の作品賞は、カトリック教会の醜聞を暴いた実話を基に描く社会派ドラマ『スポットライト 世紀のスクープ』 - Photo by Kerry Hayes (C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

 2月28日(現地時間)に発表された米アカデミー賞は順当な結果となった部門あれば、サプライズをもたらした部門もあった。ここではそれを総括する。

 作品賞を射止めた『スポットライト 世紀のスクープ』はサプライズの代表格。前哨戦では批評家ウケはしたものの、業界人が選ぶ賞ではスルーされることも少なくなかった。にもかかわらず、受賞を果たしたのは、正しいことをしようとするジャーナリストたちを描いた社会派ドラマが、大統領選を控えて正しい候補者を選ぶべきという風潮とリンクしたように思えなくもない。

 また、最有力候補と見られていた『クリード チャンプを継ぐ男』のシルヴェスター・スタローンが落選し、『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランスが栄冠に輝いた助演男優賞もサプライズといえる。しかし重要な前哨戦の一つ、全米映画俳優組合(SAG)賞でスタローンがノミネートすらされていなかったことから、これは予測されていた。同賞を選定する組合員にはアカデミー会員の資格を持つ俳優も多数含まれており、アカデミー賞の結果にそれが反映されるケースが多いのだ。

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ブリッジ・オブ・スパイ
存在感のある演技で助演男優賞を獲得したマーク・ライランス(中央)『ブリッジ・オブ・スパイ』より - (C)Twentieth Century Fox Film Corporation and DreamWorks II Distribution Co., LLC. Not for sale or duplication.

 逆に順当と言えるのが、『レヴェナント:蘇えりし者』のレオナルド・ディカプリオが念願の主演男優賞を獲得したこと。これまでチャンスはあったものの、ことごとく受賞を逃してきた彼だから、前哨戦の圧勝ぶりから映画ファンの期待は高まっていた。祝福ムード一色となったのは当然だろう。一方、主演女優賞の栄冠を手にした『ルーム』のブリー・ラーソンは新顔だが、こちらも前哨戦で他の候補者を圧倒していた。初ノミネートゆえのフレッシュさが有利に働いたといえる。

 賞の行方は選考メンバーや時代でも変わってくるもので、一つの目安ではあるが不変の価値観ではない。マーク・ライランスは「勝者というよりも同業者のスポークスマンに選ばれた気分。ノミネートされた他の俳優はもちろん、されなかった俳優の中にも素晴らしい俳優がいたので、受賞を大げさに受け止めてはいない」と語った。殊勝であることを差し引いても、それはノミネートだけでも十分な栄誉であることを物語っている。(文・相馬学)

「第88回アカデミー賞授賞式ダイジェスト」は3月5日(土)午後8時よりWOWOWプライムにて放送

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