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“観察映画”の想田和弘監督、猫と日本にやってくる中国人で持論展開

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想田和弘監督
想田和弘監督

 ドキュメンタリー映画『牡蠣工場』の初日舞台あいさつが20日、渋谷シアター・イメージフォーラムにて行なわれ、登壇した想田和弘監督が、本作の舞台である牡蠣工場で出会ったという中国の人々と猫を重ね合わせるなどして、社会問題に思いを馳せた。

【写真】想田監督、山内の乱入に驚き!

 本作は『Peace ピース』などを生み出してきた想田監督による、岡山にある牡蠣工場にカメラを向けたドキュメンタリームービーで、撮影前に台本を作らず、ナレーションやテロップ、BGMなどを排した、想田監督独自のスタイルで描く“観察映画”シリーズの第6弾。

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 本作のテーマについて想田監督は、劇中の工場主の息子が工場を継ぐ気はないと答えるシーンを取り上げ、想田監督自身の父親が工場を経営する一方で、自分を含め兄弟が誰もその工場を継がないという現状と重ねて、「(本作の)編集中に気がついたことなんですが、僕らは子供のころから『勉強してホワイトカラー(オフィスで仕事をする人)になりなさい』というメッセージを受け取っていたけど、他の選択肢を受け取ることはなかった。自分は無自覚でそういうシステムの中にいるんだということに気づかされたんです」と映画製作の中でその意義を認めたと語る。

 一方で、実家では6匹の猫を飼い、奥さんの実家にもたくさん猫がいるそうで、「猫がいたら、撮らないという選択肢はない」と語るほどに猫好きの想田監督。想田監督の作品には猫が頻繁に現れ、この映画でも冒頭から登場する。本劇中では飼い猫ながら他人の家に侵入しようとするその猫に対して、「だんだん(それが)メタファーに見えてきたんです。『来るのは嬉しいけど、うちの子になるのは困る』、そんな構図が『牡蠣工場』で出会った、(日本に仕事を求めやってきた)中国の方々と重なって見えまして」と監督独自の思いを述べる。

 また、この日は想田監督の過去作品『選挙』『選挙2』に出演した元議員候補の山内和彦も、息子とともに登壇し、「皆さんの口コミだけが頼りなので、一つよろしくお願いいたします」と映画をアピール。度々、舞台あいさつの際には山内に乱入されている想田監督は、「こんな被写体はないな」と苦笑いしながら、山内らの激励を喜んでいた。(取材・文:桂伸也)

映画『牡蠣工場』はシアター・イメージフォーラムほかにて公開中

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