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南京事件に関する映画を上映する「南京・史実を守る映画祭」が開催

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『ジョン・ラーベ ~南京のシンドラー~』より
『ジョン・ラーベ ~南京のシンドラー~』より

 日本で見る機会のない南京事件に関する映画を上映する「南京・史実を守る映画祭」が3月14日、東京・カメリアホールで開催される。井浦新香川照之も出演した独・仏・中合作映画『ジョン・ラーベ ~南京のシンドラー~』(2009)と中国映画『南京!南京!』(2009)の上映に加え、ジョン・ラーベ研究科の永田喜嗣さんや映画『かぞくのくに』のヤン・ヨンヒ監督らが参加してのシンポジウムも行われる。いまだ日中間で論争の火種となる事件を再考する良い機会となりそうだ。

 1937年に起こった南京事件は、70年を迎えた2007年前後、多数の映画が製作された。しかし日本では、『南京1937』(1995)を公開時に右翼によってスクリーン切り裂き事件が起こったことが尾を引き、映画会社や劇場がなかなか二の足を踏む状況が続いている。また『南京!南京!』のように日本の配給会社が名乗り出るも、犠牲者30万人という表記や、劇中で使用した日本の楽曲の許諾が得られず、実現に至らなかった例もある。

 そんな状況に風穴を開けようと、市民の手で上映活動を行っているのが南京・史実を守る映画祭実行委員会だ。第1回(2009)では、ジョナサン・リス・マイヤーズ演じる英国人ジャーナリストから描いた『チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道』(2008)など4作品。第2回(2011)には陸川監督を招いての『南京!南京!』の上映と、実績を重ねてきた。

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 そして『ジョン・ラーベ ~南京のシンドラー~』は、自ら配給権を獲得して日本公開を実現。昨年5月に東京・江戸東京博物館での上映には出演者の井浦新が舞台挨拶に駆けつけ、「さまざまな声があると思うが、独・中・日の3国のスタッフが力を合わせて作りました。本作のフロリアン・ガレンベルガー監督は、決して日中どちらに戦争責任があるとか、良い悪いを伝えるために作ったわけではないことを声を大にして言いたい」と訴えた。

 同実行委員会の荒川美智代さんは「ほとんどの国が誇るべき歴史だけでなく、触れてほしくない屈辱的な歴史、恥ずべき歴史を持っています。南京事件は私たち日本人にとって、まさに触れて欲しくない恥ずべき歴史です。しかし、この負の歴史を繰り返さないことを願うのであれば、それらとできるだけ公正に向き合うことが必要です。そして、私達が観たい映画が普通に上映できる社会になればと思います」と映画祭開催の思いを語っている。(取材・文:中山治美)

「南京・史実を守る映画祭」は3月14日、東京・カメリアホールにて開催。

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